足早にめぐり、閉じる

如月が終わりました。
冷たい雨とともに弥生の到来。
空気が入れ替わる前線の動きとともに、
春の嵐がやってきます。
 
ひとつずつ確かに注目していないと、
季節は駆け足でストレンジャーの顔をして、
さっとすり抜けて行ってしまいます。
そのコートの裾をつかんで、
今一度その見覚えのある顔を見たほうがいいのです。
まったく知らない新顔のような、
すっかり忘れてしまっていた昔の知己のような、
何気なくずっと一緒にいた連れのような、
多彩な顔をして空気を色鮮やかに染めて歩く、
季節を正面から見据えたほうがいいのです。
 
 
それにしてもさむい!
先週がまるでうそのようで、あんなにあったかかった一週間に何をしていたんだ、自分?! とガク然としながら振り返ると、もう思い出したくもない他人の失態とか見えてきて、あわてて前へ向き直る。
仕方ないよね、年度末だから…と他業種なら通じる(じつはうちには無関係な)言い訳を口ごもりながら、はやくピークが過ぎればいいのに、とここ半年くらいでスパンがどんどんはやくなっている仕事を目前に夢想する。
 
 
昨夜は怖い夢を見た。
たまに見る同じやつ。
そしておんなじくらいのとこで目を覚ます。
模様替えしたら枕の向きが変わったからかな。
電磁波とかの影響かしら、と思いながら再眠。
夢はちがうけど、昨日も一昨日も夜中に一回目醒める。
これも位置のせいかな。
春の到来に向けて、前向きに準備しているつもりでも、
行動とは裏腹に心は閉じる準備をしている気がする。
春なのにね。…いや、春だからね。仕方ない。
久々にハルウツのど真ん中症状が出るのかも。
いいね、どんと来い!
春の嵐の中の孤独と下降思考を、
心置きなく存分に満喫してやるー。
と思う2011年3月の始まり。