キラキラ綺羅々

夜の中スピードをあげる。
タイヤはきしんで悲鳴をあげる。


闇の中で濃度を増した金木犀の香りを胸いっばいに吸い込む。


ペダルをさらに踏み込む。
私の奥へと強く主張する匂いが踏み込む。



このまま、きらきらした世界のまま
ずっとずぅっと時間が永遠に繰り返せばいいのに。

いつか読んだマンガのページみたいに。
同じシーンだけ永久に永遠にとわに。


怖い想像は時に痛んだ心を癒す。
夢は夢のまま、私は私のまま。
確実にやってくる明日の光だけが、心底怖い夜に。