ふるふると 響いた セツナ

どきどきする
動悸が激しくなる
顔に血が上る
うまく言葉を選べなくなる



なんで、なんで言いたいことがわかるんだろう



わたしは言葉遊びが昔から好きで
「ことばのきまり」とか文法書とかすきだった。
中でも好きな文法は倒置法で、
セリフのように大袈裟なくらい強調された感情を込められた感が好きだった。

…ことが関係あるかどうかは知らないけれど、
口語で会話していても、唐突なところから始まることがよくある。
大抵、滑らかに後付けの説明とか加えるんだけど、
それができない時ってある。

それはしばしば押し殺してたことの場合が多い。


言いたいけど言えなかったことを
一生懸命ノドの奥から押し出して相手の耳まで届かせたとき。
そんなときは、なかなか後付けの説明まで言葉にできない。

むしろ結論だけ、一番重要な言葉だけ組み立てるので精一杯というか。



だからね、そんな時は
聞き返されちゃって、無様にしどろもどろになって有耶無耶にしちゃうか、
軽く無視というか、なかったことにされちゃうか、
続きを待たれて、これまたテキトーな嘘みたいなもので誤魔化しちゃうか、
まぁどれかになるのが、いつものパターンなんです。



でも。
でもでも、今回ちがうの。
どうやらちがうみたいなの。


…なんか、
やっぱり怖くて確認することまでは至ってないんだけども、
どうやら察するに、伝わっちゃってるみたいなんだな。
言ってない部分まで。言えてない部分まで。


それって怖い。すごくこわい。

重いと思っておもいきりブランコ漕いだら
意外に軽くてものすごく上まで振り上がっちゃった、みたいな。


ぎごちなくカッコわるく見透かされたようで、ものすごくこわい。



こんなどきどきを抱えたまま、わたし普通に立っていられるだろうか。
なにげない風にポーカーフェイスで、日々を暮らしていけるだろうか。

せめて、おんなじじゃなくても、似たような思いを
向こう側でもしててくれたらいいのに。
でもそれは、それだけは、どうしてもわかんない。