人と出会った時には果たされるべき約束があって、
それが終わってしまえば、あとはどんなにあがいても離れていくしかない。
それは心や感情とは関係なく、ただ時期が過ぎ去ったということ。


とは、敬愛すべき某作家の著作の中の言葉だけども、
心から本当に、その言葉たちを、その表現を、深く染み入って感じる。



今年の冬は雪が多すぎて、大切なものの輪郭を見せつけるように際立たせる。
守りたいもの、失いたくないもの、捨てられないもの。
それでも、前に進むためにはやむなく手放さざるを得ないもの。
ものすごく痛いけれど、終わってしまった時間を巻き戻すことはできないし、
熟れ切ってしまった実を花に戻すこともできない。
熟れて落ちて腐ったその実が、新しい葉をつけ花をつけることを待つだけ。


果たされるべき約束は、きっちり果たした、と、思う。
出会えてよかったし、ぶつけられてよかった。

それでもやっぱりお別れはかなしいから、ほんのちょっとだけの涙。
心残りを残さないように、ちゃんと伝えたから、
後悔ってカタチですら固執できないのが、少しさみしいくらい。
思い出は思い出すけど増えることはないので、
反芻して甘い痛みに浸る回数もそのうち減る。
確実に無常に時間は流れる。
ヒトははかなくつよい。
生きていくことはやめない。


こういう時ほど、笑っていたいし、笑っていられる自分でよかった。
痛い意味ではなく。
作り笑いをしたり続けたりできるほど器用ではないし。
無理せず笑えるってことはだいじょうぶ。問題ない。
手を振った時に笑えてたかどうかはちょっと自信ないけど。
きっとだいじょうぶ。微笑くらいはできてたはず。


シニカルで理屈っぽくて可愛くなかったなあ、とは思う。
でもこれが等身大のわたしだし、
素直で可愛い自分を今さら演出することなんてできない。
少しでも印象を残せてればいいのに、と
せせこましくて正直なわたしはこっそり思うけど、
そうじゃなくても、まあいいや。
キライにならずに済んでよかった。
まだいっぱいちょっと誇張した悪口を言うだろうけど、
それこそ愛しさの裏返しだから。
そのままでいてほしいと、本当に思っているんだよ。


そんな自分で、やっぱりよかった。
まだ次に向かうなんてパワーはないけども、
とりあえずわたしっぽく生きていける。進んでく。