違和感を感じる。


無意味に寛げるカーペット敷きのカラオケルーム
屋外にいるのに季節感のないノンスリのテレビタレント
古くて壊れそうだけど風情のあるお店を潰して作る新しい何か
古典じゃないのに登場人物が紙の上にしか存在しなくなった山田詠美の小説
鼻血が出るくらい真剣な恋なんて無縁そうなぬるい恋人たちの街に流れる恋のうた
凍えるような深夜に客引きを続けるダウンコートのバイトくん
おもしろくもないのに愛想笑ってお互いにエゴを話し続ける酔っぱらい
へたくそなBzを何曲も何曲も歌い続ける知らない人
誰も歩いていない時間に物凄い形相でつんのめりそうに歩く孤独そうな中年
民家のネコの額のようなコンクリート張りの駐車場にたむろする愚鈍な鳩
幻想なのに鼻腔を突く懐かしくて性的なだれかの香り
騒々しくて無神経な光と音を発し続けるちいさな箱
エコパックに包まれた食べ残しの食品
人ごみが嫌いと言いながら人の集まるところに引き寄せられる自分
温泉イコール疲れが溜まってるんだと決めつけている思い込み


自分も含めた世の中には違和感と微量のガッカリが多すぎて息を溜める。
世界をシャットダウンしたこっち側からは総てが模型みたいに見える。
どんどん落ちていくらしい視力さん、わたしはそんなに世界がきらいなのかい?
想い出と自己嫌悪と無根拠の自信とルーティンの繰り返しは、今のところ飽きない。
自己憐憫とか悲劇のヒロイズムとかお門違いの憎しみとか後悔の入り込む隙間がなくてよかった。
春はこわいけど今は待ち遠しい。
筋肉が柔らかくほぐれ、力を抜けるようになったら、もう少しまっすぐ世界と向き合いたい。
だれか遊びに連れてってください。と、いうか付き合ってください。
植物園か美術館か水族館に行きたい。
植物園は伊豆のシャボテン公園、美術館は庭園美術館、水族館は大阪の海遊館に行きたいな。
それ以外でもいいんだけど。
上野動物園って冬に行ったら楽しいのかな。江國香織の小説みたいだよね。何だっけあれ。
同じ家族ものならあれより、緑のスーツ着て卒業式に来てくれるお姉ちゃんの話のが好きだ。
別に話しかける相手もいないのに、話しかけてるみたいなこの文章も違和感だ。