むろん

決して巡り逢えないはずのものに、
万が一の奇蹟のように出会ってしまったら、
きっとそのまま恋に堕ちるしかないと思う。
そしてそれはいたずらに叶わず忘れられず
心のフックにひっかかったまま、
そのまま小さな痕になって残り続ける。




何を引き換えにしてでも手に入れたい
と思えるような自分だけのものや人や存在が欲しくて、
がむしゃらに探し続けてきたけど、
そんなものをいつまでも子どものように夢見るより、
手近で大切で気楽で愛おしいものがあるんだよ
と何の気なしに教えてくれる人はたまにいるけど、
素直にそれに頷きたい反面、
猜疑心で疑っている自分もまだいるのは否めない。
探すのをやめた時見つかることもあるって
昔の人は唄っていて、
それは時に真理なのだけれども、
やっぱり探すのを諦めるのが口惜しい
と、わたしは思っているんだろうな。
も少しだけでもいいから、探させてくれ。
見つかるって断定はできないけど、
見つかるような気がするんだよね。