ガツンときたこと。


最高であると自分が感じた刹那を
愛しているその相手に、決して買わせないこと。


美意識とは何ぞや。
やばい。すっかりそんなものを忘れていた。
ちっぽけなプライドを守ることだけに必死になって、
大切なものを忘れてしまっていたね。

目から鱗が落ちた。
曇り切ってしまっているこの目は何のためにあるのか。
一体いくつの亡くし物に気付けば気が済むのか。
手の中からこぼれ落ちてしまったことすら気付かず
やり過ごして進んできてしまったものは
本当は必要のないものなのか。

そんなわけないと思う。
だって、じゃなきゃ琴線が震えるわけがない。



尊敬に値する相手は、やはりどれだけ時を重ねても
変わらずすごいまんまだったってわけだ。
どこかそんなの消えてなくなったかのようにしようとしていたけど。
やっぱり一歩も二歩も
もっともっとずっと先を歩き続けているのね。
だからこそ愛している。


いつまでちんたらしているんだ。
今こそ自分の足で立って進んでいけるってことを
自分自身に見せつけてやる時なのでは?
マイペースとか、スロースターターとか。
もう言ってる場合じゃないんじゃないかな。



はるか昔。
私のなりたい理想の姿は、
手のひらサイズの小さな本の中に
イキイキと息づいていた。
そこに自分の未来予想図を重ね合わせて
そこに向かって生きていけた。
それでよかった。
夢と理想はかぎりなく柔軟で広く大きく
これからどんな風にも形を変えられるものだった。


いつからだろう。
その幅を自分で狭めてしまったのは。
何かまだ手に入れていないものに
まだ姿さえ見えていないものに
よっかかって、おんぶにだっこで、
自分の人生を進めようなんて馬鹿な浅知恵に支配されたのは。

下手な考え休むに似たり、だ。

ばかな。
ばかな!
馬鹿な!



あー、もう!
このどうしよもない考えのスパイラルを、
この救いようもない自分を、
一体どうやって汲み上げればいい?
誰か教えてほしい。