エニシィング バット オーディナリー

今ならちょっとはうまくいえそうな気がする。
ずっとじょうずに表現できなくてもどかしかった。
複雑にたくさんの言葉を並べてみても、
本当に芯の部分はすごく単純ですべてが至極当たり前なことだったんだけど。
それを外に出すことは意外に難しくて大仕事で。
でもやってみようと思うのです。



わたしは昔から変な子どもだった。
それは、普通とは少しちがっていたってただ言葉どおりのことなんだけど、
常識の範囲内で微妙に変わってたってだけのことなんだけど、
特別意識とか優越感とかいう感じではなく、どちらかといえば真逆の。

だからそれがいやでいやで仕方なかった。
自分がちょっと変なことを認めたくなくて普通なふりをしたり、
わかってしかたなく認めてからも
すごーくがんばって普通になりきろうとしてた。
他の人から見たらくだらない取るに足らないことだったかもしれないけど、
毎日が苦痛で捩じれて仕方なかったころ、
それすら気付かず必死で努力を積み重ねていたと思う。
それがわたしの毎日で現実で、そこから目指せる唯一の理想だったから。



だからなのかもね。
恋をしてすきになる人はいつも中庸だった。当たり前に普通だった。
でもそれはもう美事なほど。

そしてわたし、
それを見出すというかかぎ分ける眼だけはあると思う。
いわゆる、フツーでちゃんとしあわせに包まれて
愛で張られた網の上にいる、またはいたことのあるヒト。
そんなヒト、想像しただけで涙が出そうになっちゃうもんね。
それくらい愛しかったんだ羨ましかったんだ。


昔からなりたくてもなれなかった。微妙に変、じゃないこと。
それを持ってるヒトに近付いて
でも自分が持ってないからやっぱり傷付いて。
その繰り返しでここまで進んできた?

わたしがずっとたまらなく欲しかったものは普通であること、そういられることで、
でもそれをもってるヒトほどそうじゃないものを追っかけてる場合が多い。
わたしがその無意識の何に傷付いているかも知らずに。無邪気に。