湿気の夕方

どんなことにも表と裏があって
どんなことにも明と暗がある。


いつも楽しいことばかりじゃないし、
かといって悲しいことばかりでもない。
わざわざ言葉にしないだけで
そんなのみんなにあるしわたしにだってある。


でも一番多いのはやっぱり、どっちつかずの感情な気がする。
いい意味ではニュートラルなのかもしれないけど、
そんないいものでもなくて、
ただ、ぽっかりと独りを噛み締めるだけ。
この湿度の高い感情は、時折他のものの顔をする。


幸せな孤独なんだろうけど、
別にさみしいわけじゃなくて、
ひとりでいたいしひとりを守りたいんだけど、
なにかのやさしさを求めていたりする。


いつかこれも癒える日がくるんだろうか、
膝小僧にできた擦り傷や失恋の痛手みたいに?
だれかやなにかと一緒にいることで
心安らかな新たなニュートラルが宿る日が?
疵じゃあないし痛みでもないから、
ちょっとちがう気もするんだけどね。


わからないけど、
いつまで進んでもこの感情はわたしから離れていかないし、
そこから故意にちがう場所へ行く方法も見つからない。