のどにつまる

たとえば
何の気なしに、
または、まあまあ思いを込めて、
Aという。
そうすると相手は、
Sと返してくる。
Bという反応が返ってくると思っていたので、
「えっ」と思う。
まだZだったら、
Yとか切り返しようがあったのに。
BにはCで返そうと思っていたのに。
即座にTとは返せなくて。
なんとなく、とりあえず、
飲み込んで終わらせる、そのSを。


そうすると、
結局そのA→Sが、たまる。
のどもとに、飲み込みきれなくて、つまる。


考えてみると、
ここ数週間、不調で。
カラダは疲れがたまりやすく、
ココロはいらいらが泡立ちやすく、
それなのに他のぬくもりを求めて、
埋めれば実質は埋まらなくて疲れて、
悪循環に、不調で。




また、な話で恐縮だけれども、
うちの祖母の思い出を夜通し語る通夜の席で、
いちばん祖母の身近にいたであろう叔母が、
「おばあちゃんは、本当に過去を振り返らない人でした」
と、語る。
そう、話のつづきを聞けば聞くほど、
振り返って立ち止まらない祖母の姿が
ゆらめくように立ち上がる。
知っている、知っていた。
そうそう、そういう人だった。


彼女の血を引くはずのわたしはどうだろう。
思えば最近の自分の認識は
「反省の上に反省を重ねて生きるわたし」。
過去を想い、過去を重んじ、過去に囚われ、
反省だけに満足して、前に進めない自分。


祖母がものを言わなくなった今、
過去に囚われない祖母の生き方に、
学べ、進めよ、と言われている気がする。
反省の上にたつのは、
戻せない過去ではなく、やり直せる未来。