ポンパドールなひげメン

精力的にガツガツと
腕の長さめいっぱい手を広げて生きてく、
なんてわたしにはできない。


まずそんな状況にならないし、
自分からわざわざ追い込まないし、
憧れないわけじゃないけど、
最初からあきらめてるし、
そうあれ、と誰かから求められてもいないし、
どうすればそうなるのかもわかんないし…
言い訳みたいだけど、
やっぱり一言で言ってしまえば、
『できない』んだと思う。


でも、とある一時期は、
そんな風にして世界を切り拓いていく友だちに憧れて、
一生懸命、時間の隙間を埋めてみたりも、
埋めようと東奔西走してみたりもしたけど、
そんなふうにうまくはいかなくて、
ダブルブッキングしたり、
誘っても計画性ないから結局断られたりして、
次に誘うべき人が思い浮かばず
自分の人脈のなさに愕然としたりして、
自己嫌悪に陥ったり、ダメループの繰り返しを
いやいやながらしてたりした
今となっては笑える過去もあるわけです。




何に対しても言えることなんだろうけど、
わたしの場合基本的に、理想の自分像みたいなものが、
具体的にマルチチャンネルで屹立しすぎていて、
その像に寄りそうには
もろもろ不具合とか矛盾が大アリなんだけど、
それにすら盲目で、衝動的に駆け寄っちゃうから、
やっぱり蹴躓いてすっころんでケガして痛い目みて…
の繰り返しなんだろう。
漸くあれれと気付いた時には、
今度は今さら感が大アリなんだけど、
それでもずっと気付かなかったよりは
幾分かマシかもしれないと思いながら、
いやでももう今さら気付くより、
一生気付かなかったほうが幸せだったかもね…
と思ってみたりみたり。




なんてことを取材先に向かう前の空き時間に、
カフェオレ飲みつつぼんやり考えてたら、
行き交う人の中にステキなポンパドールが見えた。
と、思ったらヒゲメガネのイケメンだった。
いまや髪型にも服装にも
男女のしばりはホントにないのねー。