おばちゃんの助言。

なんというか、こう…あれね。
うまいこと言えやしないことっていうのが、誰にだってあったりするもんなのよ。誰にだってうまいこと言えないときもあるしさ。なんていえばいいんだかね、言葉にならない、なんつったらちょいとばかしおおげさすぎるかもねぇ。でもまぁ一言でいえばそういうことよ。あたまん中でグルグル、ぐるぐる考えてたら、あっちゅう間にわけわかんないことになっちゃって、はて、なにが言いたいんだったかネってね。うまいこと言えることだけが、年がら年中いっつも正しいってわけじゃないし、言えないから間違ってるってこともないでしょうよ、きっとね。
…まぁ、どっちかっていったら、じょうずに人に言ってあげられたほうが、いろんなことがうまいこといくわネ。でもそんなこと言ったって、そう簡単にホイホイといく話もないでしょうに。ないアタマをないなりに絞って考えて、ようやくのことで言ってみたら、本当に思ってたことの半分もわかってもらえなかったりしてね。そうすっとそれはそれはさみしくてむなしくて、あ〜ぁってなもんだから、次からは、もういいや。ってやめちゃったりするんだよネ。いっしょけんめい話して聞かせたり説明すんのはなかなか根気の要ることだもんね。
そうやって、うまいこと言えずに、ガマンってなほどじゃないけど、なんだか奥の方に押し込んじゃったのがさ、あれと思った時には、なんだか息苦しいねぇ、なんてことになっちゃったりするわけ。はなっからそんなの、まさかねぇ、こっちはそんなんなるなんて思ってみもしないもんだからさ、あれってなった時には、すでにおそし。ってことだってあるんだから。ホラ、おとなりのむこうのはす向かいの妹さんのだんなさんのおばさん、うちんなかで、気付いたらもーうビックリしちゃって大変だったって。…まあそんなでね、とにかくおなかの中になんでもかんでもため込んでちゃダメってことよ。
いつだってよけいなもんばっかとっとくもんだから、すぐ散らかっちゃってねぇ。かなしいなーとか、さみしいなーとか、そんなのねぇ、十年も経てば笑い話なんだから。十年一昔で、おへそでお茶わかしちゃうんだからね。だからね、ちょっとくらいのことで落ち込んだりガマンばっかしてちゃダメなのよ。いいね?若いんだからがんばんなさいよ。