話を聞かない人たち

人は他人の話を聞いていない。


意外とたくさんの人がそうでびっくりする。
…うーん、
聞こうとすればするほど聞こえなくなる、というか。
しかもいわゆるビジネスシーンにおいてのほうが、
そういう人との遭遇率は高い気がする。


リラックスして友達と話してる時は、
話の展開が予測不能だからちゃんと聞いてる、
というのもあるかも知れないし、
友達だから、何が言いたいのか言外の部分を
結構たくさん理解しながら補足しながら
聞いてるのかも知れない。


でもわたし自身にもそういう部分があるのは知っていて、
インタビュー取材したテープ起こしなんてしていると、
あいづちがとんちんかんな時があったりする。
話している語尾だけ拾って返しているから、
本来の意味を掬い損ねている時とかがそうだ。
(そしてあとから火が出るほど恥ずかしい)
そして私はまだたぶん、
流れをコントロールしようという
意気込みが強すぎるからだと思う。
話は想定したとおりに進むわけがないから、
軌道修正しようとあせるし空回る。

まぁまだ、わたしたちの場合は、
それを聞き直して理解し直して
自分の言葉にかみ砕いて、
さらにそれを先方に「こういう意味だよね?」って
確認までできるから救いがあるようなものの、
そうじゃないであろう
通常の場合って…つらいよね、と思った。


人の脳はたぶん、
受け取った情報のわかる部分だけを理解して、
それ以外を自動的に削除していく。
そういう風にある程度は
取捨択一するように教育もされているし。
聞こえないとか意味わかんないとかだけじゃなくて、
前後の関連が見えなかったり
スピードについていけなかったり
単語そのものを知らなかったりしてもそうだと思う。
でも逆に話してる方は、
重要そうな単語を先に思い浮かべて、
順番につなげて文章にしてしゃべってるから、
既に言ったことを相手が知らなかったり
(聞いている方的にはキャッチできてなければ初耳だから)
すると、非常にびっくりする。
あれ、さっきコレ言ったけど。
この人話聞いてないんだな、的な。
そういうすれ違いというか、
キャッチボール不全、みたいなものって、
みんなどうやって解消しているんだろう。


何回も同じ話をさせるのもするのも微妙だし、
だからと言ってみんながみんな、
すべて理解できるような訓練を
なんらかの方法で強要するわけにもいかないし。
まぁ、自分にできることは、
なるたけちゃんと人の話を聞くことと、
話す時には、相手に飲み込んでもらいやすい
発音や速度やタイミングやプライオリティを
きちんと考慮・計算の上、話すことだよね。


……そしてこの時期恒例の、
しんどい原稿にまた悩まされております。
副編に同情されるくらいなんだこりゃな内容で、
この切磋琢磨が人生のどっかで報われなければ悲惨…
と思うけど、ギブアンドテイク的な成長なんて、
そうそういつでもあるもんじゃないよね、
と、とほほながらも、がんばり続けるのです。